
2015/05/某日訪問
脇ノ浜城は熊野市の鬼ヶ城の西北西に位置する山城。一つの曲輪に段曲輪、帯曲輪が少々という程度の小さな城跡。鬼ヶ城とは尾根続きなので関連があるのかもしれない。
『三重の山城ベスト50を歩く』には脇ノ浜城へ行くには鬼ヶ城から尾根伝いに行くのがよい、と記されていたのでそれに従うことにした。
スタートは熊野市駅。大荷物だったので不要な荷物は宿泊した宿に預けて訪問。駅前の通りを北に向かう。
熊野古道を進む。熊野古道というと山の中の石畳の道を想像される方も多いだろうが、市街地も通っているのである。
まずは鬼ヶ城へ向かう。観光地の鬼ヶ城からもいけるのだが、熊野市駅からだと反対側になるので、松本峠が最初の目的地。
民家の隙間から松本峠へ。
この分岐は左。急傾斜のアスファルト道は短距離といえど割と疲れる。
松本峠の説明板があるあたりから山道。
この辺りから七里御浜が見えるが、この日は曇りで残念だった。
石畳の道が始まる。多くの人が想像する熊野古道だろう。
石畳を進むと松本峠へ到着。
松本峠から尾根に移る。東南東に進む感じ。
山道を暫く進むと堀切と竪堀。いったん鬼ヶ城に入ったのである。写真は竪堀。
さらに進むともう1本堀切。
この堀切を過ぎたあたりの木に脇ノ浜城への標示がある。
これを見ても見に行こうという人は好きものだけだろう。
脇ノ浜城への標示のところにいた蟹。水辺から結構な距離があるが上ってきたのだろうか。水はなくても湿っていればやっていけるのかな。
尾根を下る。
木にリボンがついているし、迷うような分岐もない。
尾根は段々になっており、段曲輪とも取れるが、この近辺は耕作地になったこともあるらしいので、後世の造成の可能性もある。わたしは遺構とは断定しない。
ときおり石積があるのだが、崩落防止用のものに感じられた。
わかりやすい案内標示。
下ったあとにいったん平坦になるのだが、そのあたりにかつての耕作地跡が出現する。この周辺にも石積みが見られた。
耕作地脇の道を進む。
平坦な土地が終わり上りになる。その斜面からは脇ノ浜城である。腰曲輪、段曲輪があるようだが、現地では自分の目で確認してもよくわからなかった。
斜面を上ると平場。神社がある。
鳥居の外側の麓に向かう斜面にはかつての参道があったが、荒れていた(どれがその写真かわからなかったので掲載せず)。現在では使われていないのだろう。
曲輪の端によって腰曲輪、段曲輪を確認しようと思ったが、一部は平場の段階で藪っていたので深追いせず。
気になる丸石。結構多めに転がっていた。
曲輪周囲に石積み。いつのものかは判断できず。素人だし。
神社でお参りして撤退した。
鬼ヶ城への分岐点に戻るとまだ蟹がいた。もしかして門番だったのかな。
城跡の鬼ヶ城、天然記念物の観光地の鬼ヶ城を見学したあとに脇ノ浜城のある山のふもとの道を歩いたのだが、鳥居があった。この鳥居をくぐって登れば鬼ヶ城を経由しないでも脇ノ浜城へ行けるかもしれないが、実際に歩いていないので確証はない。
ここ単品で訪れるのはもったいないので、城跡の鬼ヶ城、天然記念物の鬼ヶ城のついでがよろしかろう。城跡以外にも獅子岩、七里御浜など観光としても見どころは多いエリアである。ただし公共交通機関と徒歩だけだとしんどい。
脇ノ浜城位置
鬼ヶ城から脇ノ浜城への分岐点だいたいの位置
参考: 『三重の山城ベスト50を歩く』